再婚生活(山本文緒・2007年)
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夫婦という葛藤。
涙する心と孤独の病、鬱。
あまりに小説的な魂の記録、著者3年の沈黙を破る告白日記。
(「BOOK」データベースより)
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「再婚生活」という題名からは想像できない欝の闘病記。
「最近新刊出ないな。」と思って調べたことがあったので、この作者が闘病中だったのは知っていました。
それも入院退院をするほどなので結構ひどかったようですね。
その間につづったエッセイ。
闘病記とは言えども、書けない部分も多々あったことでしょう。
欝をカミングアウトした上での、前向き日記と言った感じ。
本当につらかったと思われる2年間は休載していることからも本当の闘病記ではないことは一目瞭然ですね。
先日、とあるテレビ番組で精神科の医師が「今、欝と診断されている人の8割は欝ではない。簡単に欝と診断しすぎだ。」と言っていました。
その医師曰く、「薬を止め、規則正しい生活と食事、そしてちょっとの運動を1ヶ月も続ければほとんどの人は解決する問題だ。」と。
「ただ、その中には入院も必要な本当の患者さんもいるのでそれを見極める医師の判断力が問われる。」と締めくくられていました。
正直、これだけ欝が現代病と認識されると、それを逆手にとって病気に成りすましている人もいるだろう。
ホントに苦しんでいる人に申し訳ないと思わないのだろうか。。。
はっきりした数値で現れるものではないから、医師の判断も難しいのでしょうが。。。
この本の中に、
「私の場合、悪い体が黒い心を生んだのだと思う。
酒、タバコ、揚げ物、肉体が重くなり、心も重くなり、いいことが考えられなくなった。
暗い気持ちにどんどん拍車がかかり、出口を見つけられないで膨張した。」
とある。
病は気からとはよく言ったものですね。
この本を読んでいると、これなら自分も欝だよな。と思うことがたくさんある。
でも、そんな状況は誰にでもあるのでしょう。
そこをどう持ちこたえられるかにかかっているんでしょうね。
去年、新刊も出たり、ちょこちょこお見かけするようになったので、本格復帰かな?と長編を楽しみにしている今日この頃です。
欝とは関係なく。。。
「いくら夫婦でも(いや、夫婦だからか)五日も二人きりでいると、することも話題も、もはや見つからず。」という一文に思わず笑ってしまった。
私も長期休暇は苦手です(笑)