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切羽へ(井上荒野・2008年)普段は質素に、たまには豪華に。

切羽へ(井上荒野・2008年)

修子
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静かな島で、夫と穏やかで幸福な日々を送るセイの前に、ある日、一人の男が現れる。
夫を深く愛していながら、どうしようもなく惹かれてゆくセイ。
やがて二人は、これ以上は進めない場所へと向かってゆく。
「切羽」とはそれ以上先へは進めない場所。
宿命の出会いに揺れる女と男を、緻密な筆に描ききった哀感あふれる恋愛小説。
(「BOOK」データベースより)
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第139回直木賞受賞作ということで手にとってみました。

「切羽」と聞いて思いつくのは「切羽詰る」という言葉。
でもこの本の題名は違っていて、
「トンネルを掘っていくいちばん先を、切羽(きりは)と言うとよ。
トンネルが繋がってしまえば、切羽はなくなってしまうとばってん、
掘り続けている間は、いつも、いちばん先が、切羽」
と物語の終盤に出てくる。
この題名の付け方、素敵だなって思いました。

だってこの話は一言でいうなれば、「切羽な二人の物語。」だから。

とある島(舞台は九州にあるとある島だそうだ)での話が淡々と語られる。
島ながらの閉塞感が淡々さを助長しているよう。
とは言え、淡々の中身は深いんです。

さらっと読むと後に残らない感じだけど、奥深さを感じる本でした。

最後に主人公の友人の言う「妻って人種はきっと妖怪なのね。」というのが言いえて妙でした。
私も妖怪なのかしら?(笑)

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ABOUT ME
修子
酒・食、時々、旅・舞台・着物𝓮𝓽𝓬. レジャックの外が見えるエレベーターが子供の頃の遊び場だった管理人が名古屋を中心に綴る日記ブログ。 最近は夫や友人と旅やホテルステイも楽しみつつ、完全同居型二世帯住宅に住む子なし夫婦です。

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