私の頭の中の消しゴム(木村元子・2005年)
修子
普段は質素に、たまには豪華に。

一言でいうなれば、「悼む人」のサイドストーリー。
厳密には時期は一部分でしかありませんが。

「悼む人」ではあまり語られることの無かった静人の心の内や葛藤を、日記を通して、垣間見ることができます。
全編通して、暗い話で、途中読むのを止めようかと思いましたが、何とか読了。
後半は、旅に新たな人物が出てきたり、その人達が静人に与える影響が大きかったりと、なかなか読み応えがありました。
あとがきを読んで作者のこの作品に向かうひたむきさを感じました。
1日の数分から数時間を静人になり、毎日、静人の日記を書いていたそうです。
それも3年間も。
その下地を元に「悼む人」を書き上げ、今回、その日記を基にこの本が出来上がったんだとか。
作家によってはすらすらと筆が動くなんて人もいるようですが、天童荒太という人物はじっくりじっくり時間を書けて書き上げる人のようですね。
物語に深みがある理由が分かった気がします。
(ただ、私はちょっと苦手ですが。。。^^;)
読むなら、「悼む人」を読んでからをオススメします。
多少リンクする部分があるので、これ単独だと、わかりにくく、ただの暗い日記になってしまう可能性があります。
誰もがいつかは死ぬ、けれど、明日死ぬと思っている人はまれに違いない。
重い病気の人でさえ、心のどこかで奇跡を願っている気がする。
書かれる字ばかりを見て、肝心の話し相手であるわたしを見てくれません。
音を発するかたりの会話ができないだけで、わたしという存在がないがしろにされてしまうのが、いたたまれないのです。
不運やら不幸やらがつきまとった一生だけど、ここまで生きてこられたことの有り難さを、この子たちは教えてくれてるわけだもの……感謝しなきゃねえ