恋文の技術(森見登美彦・2009年)
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京都の大学から、遠く離れた実験所に飛ばされた男子大学院生が一人。
無聊を慰めるべく、文通武者修行と称して京都に住むかつての仲間たちに手紙を書きまくる。
手紙のうえで、友人の恋の相談に乗り、妹に説教を垂れ―。
(「BOOK」データベースより)
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本屋さんで平積みされてて、題名に惹かれたので図書館で借りてみました。
森見登美彦さんは初めて読みます。
全編が手紙という内容のこの本で、思わず「あしながおじさん」を思い出す。
ついでに母に「あしながおじさん」の大嘘の内容を教えられ育ったことも思い出す(笑)
そんなことはさておき、主人公の守田一郎が、友人、家庭教師で教えていた男の子、妹、先輩などに送る手紙で構成されている。
当たり前ながら相手によって書く内容や文体が違うわけで。。。
その辺りの差がおもしろい。
さらに、文通相手に森見登美彦氏本人も出てきて、「それ自虐ネタ!?」なんてのもある(笑)
『何はともあれ、『夜は短し歩けよ乙女』完結、おめでとうございます。』とか、私が読みたい本が出てきて驚いてみたり^^
全編おばかな話なのだけど、誰も憎めないキャラでサクサク読めました。
とは言え、この人とこの人がこう繋がるの~!なんて部分もあって、読み応えあり。
次は「夜は短し歩けよ乙女」を読まなくっちゃ♪
ルール無用の戦い方をした人間は、必ず世間を敵に回すのであり、勝っても負けても不利になる。
世間を飛び交う手紙の中で、もっとも歪んだ力を持つ手紙はどんなものかお分かりですか?
恋文と脅迫状であります。
ただなんとなく、相手とつながりたがってる言葉だけが、ポツンと空に浮かんでいる。
この世で一番美しい手紙と言うのは、そういうものではなかろうかと考えたのです。
我々はもっとどうでもいい、なんでもない手紙をたくさん書くべきである。
さすれば世界に平和が訪れるであろう。
紳士淑女よ、意味もなく、手紙を書け!
意味も無く手紙が書きたくなる。そんな本です。