本所深川ふしぎ草紙(宮部みゆき・1991年)
修子
普段は質素に、たまには豪華に。
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日村誠司が代貸を務める阿岐本組は
今時珍しく任侠道をわきまえたヤクザで、
地域の信頼も厚い。
闇金から追われる町工場も、
若手組員が知る最新のフィギュア需要で
業績が上向くほどであった。
その阿岐本組長が、兄弟分の組から
倒産寸前の出版社経営を引き受けることになった。
表街道を歩く出版事業とやらに憧れたらしい。
日村は半ば呆れながら、
組長ともに問題の梅之木書房に出向くが、
癖のある編集者たちや、所轄のマル暴刑事など、
本業以上の波乱が待ち受けていた?。
(「BOOK」データベースより)
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「とせい」って何?って思ったけど、「渡世」のことかな?
どこか憎めない親分と律儀で真面目な若頭、周りには一癖も二癖もある若い衆。
その人たちが出版社に出入りするってんだから設定からして面白い。
でも内容は仁義を尽くしきるいいお話。
思わず「ほろっ」と来る場面も。
昔ながらのヤクザさんというのはいいものですな。
作中に、
「売れた小説はすべていい小説だ。しかし、すべてのいい小説が売れるわけではない。」
というくだりがある。
ホントに本というのも一期一会だね。
今年はどんな本に出合えるかなぁ^^