白夜行(東野圭吾・1999年)
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1973年、大阪の廃墟ビルで一人の質屋が殺された。
容疑者は次々に浮かぶが、結局、事件は迷宮入りする。
被害者の息子・桐原亮司と、「容疑者」の娘・西本雪穂―暗い眼をした少年と、並外れて美しい少女は、その後、全く別々の道を歩んで行く。
二人の周囲に見え隠れする、幾つもの恐るべき犯罪。
だが、何も「証拠」はない。
そして十九年…。
息詰まる精緻な構成と、叙事詩的スケール。
心を失った人間の悲劇を描く、傑作ミステリー長篇。
(「BOOK」データベースより)
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かなりの長編です。
図書館で予約していた文庫を受け取り、のけぞりそうになりました(笑)
とは言え、読み出すと続きが気になるのは相変わらずこの作者のすごいところ。
一言でいうなれば、「あれって、こういうことだと思うんだけどあってる?」と聞きまくりたい作品でした。
主人公は亮司と雪穂の二人なのでしょうが、この二人の視点で語られることがない。
周りからの印象のみなのだが、二人の人物像は鮮やかに浮かび上がってくる。
そして、接点のないような二人が絶妙な伏線によって、つながっていることを知らせる。
ページ数も少なくなってきて、「これ終わるの?」って思わせておきながら、しっかり結論付ける。
やっぱり上手いですね。
それにしても、程度は違えど、雪穂のような人いるよなぁ。。。
結局自分に降りかかってくると思うのだけど、どうなんでしょ?
「幻夜」が続編らしいので、結論はそっちを読んでからかな。
桐原の「俺の人生は、白夜の中を歩いているようなもの」と、雪穂の「あたしの上には太陽なんかなかった。いつも夜。でも暗くはなかった。太陽に代わるものがあったから。太陽ほど明るくはないけれど、あたしには十分だった。あたしはその光によって、夜を昼だと思って生きてくることができたの。」が逆に思えてしょうがない。
どちらにしても、見えない二人の心情が知りたくなった。
これ、ドラマ化されてたらしいですね。
機会があったら観たいのだけど、再放送しないかなぁ。。。