魔王(伊坂幸太郎・2005年)
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政治家の映るテレビ画面の前で目を充血させ、必死に念を送る兄。
山の中で一日中、呼吸だけを感じながら鳥の出現を待つ弟。
人々の心をわし掴みにする若き政治家が、日本に選択を迫る時、長い考察の果てに、兄は答えを導き出し、弟の直観と呼応する。
ひたひたと忍び寄る不穏と、青空を見上げる清々しさが共存する、圧倒的エンターテインメント。
(「BOOK」データベースより)
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伊坂幸太郎さんの本を読むのは初めてです。
本を読む幅を広げようとアンテナを張り巡らしていたらキャッチしました。
「伊坂幸太郎にはずれはない」という一文を。
で、最近発刊された「モダンタイムス」を図書館で予約しているのですが、どうも、「魔王」の続編だと言う情報を仕入れ、まずはこっちを読みました。
(モダンタイムスを手にできるのは当分後になりそうだったし…。)
「魔王」と聞くと最近テレビドラマにありましたが、それとはたぶん関係ありません。
なぜたぶんかと言うとドラマを見てないから(笑)
でもドラマは復讐のお話だと番宣でやっていたので、まぁ間違いないかと。
話はそれますが、そのドラマ、面白かったようですね。今度見てみたいと思います。
さてさて、本に話を戻して。
題名はシューベルトの魔王から取られています。
この魔王、中学校の教科書に載っていて、音楽の時間に皆で歌いました。
オーケストラの演奏も聴きました。
すっごい印象に残っています。
何せ、あの迫力に歌詞の怖さ。救いようの無いラスト。
小中高と12年間音楽の授業を受けたけれど、一番印象に残っているかと…。
そんなことを踏まえてこの本を読んだ感想は、そこまで印象に残らない。
シューベルトと比べている地点でアウトですけどね(笑)
印象に残らないと言うか、すべてにおいて結論が無いんです。
いったいこの話はどこに落ち着くんだろう?と思って読んでいたら落ち着く間も無く終わってしまったと言う感じです。
でも、きっと考える力のある人だったら読み下せると思います。
2部作ですが、両方ともに超能力が出てきます。
そもそも私はSFやファンタジーが苦手なので、その取っ掛かりからしてダメなのですが、その割にはすんなり読めました。
先が気になる展開で読み出したら止まらない。
読者を引き込む力は感じました。
他の作品もいろいろ読んでみようとは思ったのでいい収穫です♪
以下、気になったくだり。
「この世の中で一番贅沢な娯楽は、誰かを赦すことだ。」byノーバディ・グットマン
「得てして人は、自分の得た物を、自分だけが得た物を思い込むというわけですよ。」
「世界とか環境とか大きいことを悩んだり、憂慮する人ってのは、よっぽど暇で余裕のある人なのかもしれない。」
「偉い奴らは、ずる賢いから気をつけろ。」