瑠璃でもなく、玻璃でもなく(唯川恵・2008年)
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欲しいものは確かなもの。
確かな約束、確かな未来、形の見える幸せ。…美月・26歳。
忙しい仕事の逃げ場として結婚に行き着いたのに、今は結婚の逃げ場が仕事になっている。…英利子・34歳。
ひとりの男性を挟んで交錯する、ふたりの人生のゆくえ。
(「BOOK」データベースより)
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ページをめくった最初に「恋愛は不安との戦いであり、結婚は不満との戦いである。」とある。
のっけから思わず苦笑…(笑)
最近流行語の「アラサー」世代向けの雑誌「MORE」で連載されたものという事で、よくも悪くも普段の棘々さは見受けられませんでした。
リアル感を出しつつ誰もがあこがれるような内容を載せる雑誌だから「女の辛辣な部分全開!」っていうのは書けなかったのかもしれません。
大手音響メーカーに勤めるOLと、昼間は料理研究家の高級料理教室に通う専業主婦が主人公。
脇を固める人も、大手音響メーカーの開発だったり、大手商社マンだったりとワンランク上の人たち。
「身近にありそうで、意外と手に入らない。」そんな設定が受けたのかもしれません。
連載中は通称「ルリハリ」なんて言われて人気を博していたそうだ。
そのわりに「不倫はOK」って辺りが、今どきなのかしら?
私は、確固たる不倫否定派ではありませんが、ここまで正当化されるとちょっと引きます…。
それはさておき、
唯川恵の本を読むといつも思うのが「女という生き物はどこまで行っても無いものねだりなのだろうか?」という事。
独身時代には結婚を夢見て、結婚したら独身時代の気楽さを懐かしみ。
キャリアウーマンに憧れ、専業主婦を夢見る。
社会に出て、学校という枠がなくなると、どこに目標を持っていいのかわからなくなる人が多いのかもしれない。
そんな中、結婚や出産も含め趣味や起業など、自分で切り開いて行く人に羨望と同時に妬みが向けられる…。
作中に何度と無く出てきますが、結局女は「狡い」(なんでうちのPCはこの漢字が変換で出てこないの!?)生き物ということか。
全体を通してみれば現実味の無い話ではあった。
でも、個々を取れば、とても現実味のある話だった。
もうちょっと奥深く語って欲しかったかな。
伏線か?と思った箇所がことごとくスルーされていてちょっと残念でした。
「夫婦って家と同じだから。夫婦も早めのメンテナンスを心がけないとね。」という台詞がある。
メンテナンスってどうしても後回しにしちゃうんですよね~(笑)