模倣犯(宮部みゆき・2001年)
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公園のゴミ箱から発見された女性の右腕。
それは「人間狩り」という快楽に憑かれた犯人からの宣戦布告だった。
直木賞受賞作『理由』以来三年ぶりの現代ミステリー。
炎上しながら谷底へ落ちていく一台の車。
事故死した男の自宅には、数々の「殺人の記録」が。
事件を操る真犯人の正体は…!?あまりに切ない結末!
魂を抉る驚愕と感動の三千五百五十一枚。
(「BOOK」データベースより)
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映画化されたということもあって、宮部みゆきさんの中でも有名な本ですね。
映画は見ていないので比べられませんが、
これだけの本を映画1本にするのはちょっと無理な気がしなくも無いのですが…。
それはさておき、本の内容はと言うと、
登場人物が多い!
人物関係が見えてくるまでは最後まで読みきれるか不安だったのだけど、
読み出したらすんなり世界観に入れました。
逆に登場人物達の個人のキャラがそれぞれ立っていて、
いかにも身近で起きているかのような錯覚に陥った。
ホントにこの世界にどっぷりつかりすぎて、
途中、現実と本がわからなくなっていたほど…。
読むのに3週間、自分の中に落としこむのに2週間。
長編を読むのも久しぶりだったのですが、
こんなに手のかかった本は初めてです。
途中、伏線らしきものがいろいろ出て来るがすべてが語られない。
その伏線が生かされたのかもわからない。
でも読み手が想像で補える範囲の内容がちりばめられている。
ラストに行くにつれ、「あぁ、あの話もきっとここにつながっているよね。」なんて思わせる。
その辺りが上手いなぁ。と思った。
連載に3年強かかっているそうだ。
私はもの書きじゃないから想像もつかないけれど、
これだけの年数がかかると最初の構想と出来上がりがどの程度違うものなのかしら?
そんな興味もわいた本でした。