負け犬の遠吠え(酒井順子・2003年)
修子
普段は質素に、たまには豪華に。
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“この、もの哀しく丸まった、無防備な背中を蹴りたい”長谷川初実は、陸上部の高校1年生。
ある日、オリチャンというモデルの熱狂的ファンであるにな川から、彼の部屋に招待されるが…
クラスの余り者同士の奇妙な関係を描き、文学史上の事件となった127万部のベストセラー。
史上最年少19歳での芥川賞受賞作。
(「BOOK」データベースより)
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19歳で芥川賞受賞という報道に一度は読んでみようかと思った作品。
BOOK OFFで100円だったので思わず買ってしまった。
高校生という思春期の風景をうまく描いているのは作者が同年代だからかな。
主人公を含め取り巻く環境は私が思春期だった遥か昔も今も変わらないんだな。と懐かしく思った。
なぜ学校という環境は人をグループ化させるのだろう?
そして孤立した人間と言うのは奇異の目で見られるのだろう?
個性の時代とか言いつつ、人並みはずれると集団生活の場では結構な精神力が必要なのは昔以上なのかもしれない。
淡々と進む展開が終わりまで続き、盛り上がりに欠けるといえばそれまでだけど、人の感情は伝わる作品だと思う。
奥付を見て、初版より半年あまりで203版ってのが話題の渦中の作品なんだなぁ。。。と改めて思ったのでした。