聖女の救済(東野圭吾・2008年)
修子
普段は質素に、たまには豪華に。
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「動くな」。終電帰りに寄ったコンビニで遭遇したピストル強盗は、尻ポケットから赤ちゃんの玩具、ガラガラ
を落として去った。
事件の背後に都会人の孤独な人間模様を浮かび上がらせた表題作、タクシーの女性ドライバーが遠大な殺人計画
を語る「十年計画」など、街の片隅、日常に潜むよりすぐりのミステリー七篇を収録。
(「BOOK」データベースより)
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表題作の他に、『十年計画』『過去のない手帳『八月の雪』『過ぎたこと』『生者の特権』『漏れる心』の全7編。
壮大なトリックがあるわけでもなく、殺人事件が起きるわけでも無く…。
ミステリーとはちょっと違った感じかな。
出版されたのは10年以上前だけれど、いじめの話が多かったのが印象的。
ちょうどいじめが社会的に問題になりつつあった頃だったような…。
そうやって考えれば、一向に減らないどころかますます増え続けるいじめ問題。
脱ゆとり教育でどうなるのか!?と言う感じでしょうか。
どれもこれも人の心の痛い部分をつく感じ。
ただ、読み終わった後はすっきり前向きになれるお話が多かった。
(全部じゃないけれど。)
日常の裏側、事件の裏側をちょっと覗いてみたらこういう話なんだろうな。
そんなリアリティのあるお話たちでした。