黒い部屋の夫(市原恵理・2009年)
修子
普段は質素に、たまには豪華に。
長編小説だけど、一気に読める。
というか、引き込まれて先が気になる!
最初は会社の休憩時間にちょっとずつ読もうと思っていたけど、
結局持って帰って読みふけった(笑)
内容は淡々としたもの。
そして犯人は最後の最後まで出てこない。
『長い長い殺人』の時にも思ったけど、
宮部みゆきは描写がうまい!
犯人は過去から逃れようと必死。
必死のあまり犯していく罪の数々。。。
でもその「彼女」に対して、他人事とは思えない。
「ただ幸せになりたかっただけなのに・・・」
根底にあるのがこういう思いだから。
一歩間違ったら自分も「彼女」になってたかもしれないから。。。
作者が、「ラストを書きたいがために書き出した」というだけあって、
ラストには正直「やられた!」と思った。
小説では終わりだけど、物語としては「終わり」どころが「始まり」。
後は読者の想像に任せるという手法。というか、潔さ?
でも宮部みゆきとしてのその後を是非とも聞いてみたい!
そう思った作品でした。
最後に・・・
話の中に「蛇の脱皮」の話題がある。
結構ドキっとしました。。。
あの考え方って知らず知らず私もしてるなって(笑)
「人間は痕跡をつけずに生きてゆくことはできない」
先日こんなようなことを友達を話してたから、
ちょっとびっくりした。。。