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悼む人(天童荒太・2008年)普段は質素に、たまには豪華に。

悼む人(天童荒太・2008年)

修子
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聖者なのか、偽善者か?「悼む人」は誰ですか。
七年の歳月を費やした著者の最高到達点!
善と悪、生と死が交錯する至高の愛の物語。
(「BOOK」データベースより)
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言わずと知れた、第140回直木賞受賞作です。
天童荒太さんというと、「永遠の仔」が有名ですね。
読もう読もうと思いながら、手が出せず今に至っています。
そうしたら7年ぶりの新作が直木賞受賞と言うことで、そちらを先に手にとってみました。

他の作品を知らないので比べられませんが、7年の歳月を費やしただけあって、丁寧に書かれているのが伺われます。

内容はと言うと、
生い立ちと友人の死の影響から、「死」と向かい合い続ける主人公・静人の物語。
人はいつしか彼を「悼む人」と呼ぶ。

物語は静人の周りの3人の目線から語られます。
最後の最後まで、静人の心の中の言葉は語られません。
それぞれが、静人のことを想ったり、共感したりし、影響されていきます。

現実的なことを考えると「悼む人」には矛盾もあります。
一種のファンタジーと言ったほうがいいほどです。
それでも、いろいろ考えさせられる。
正直、評価しにくい作品です。
ただ、時代が変わっても読み継がれる本なのではないでしょうか。

最後に、
静人が自分の事を「常に手遅れの人」というのが印象的だったのと、
静人の母・巡子の生き方が良かったです。
そして、この「巡子」という名前にも深い意味があるのでしょうね。

この人は誰に愛されていたでしょうか。誰を愛していたでしょう。
どんなことをして、人に感謝されたことがあったでしょうか。

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ABOUT ME
修子
酒・食、時々、旅・舞台・着物𝓮𝓽𝓬. レジャックの外が見えるエレベーターが子供の頃の遊び場だった管理人が名古屋を中心に綴る日記ブログ。 最近は夫や友人と旅やホテルステイも楽しみつつ、完全同居型二世帯住宅に住む子なし夫婦です。

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