告白(湊かなえ・2008年)
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愛美は事故で死んだのではありません。
このクラスの生徒に殺されたのです。
第29回小説推理新人賞受賞。
(「BOOK」データベースより)
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昨年の秋、仕事を辞めた私が図書館通いを始め比較的新しい本にも手を出し始めた頃、どこの書店の店頭にも平積みにされていた本がコレ。
表紙の暗さと帯の説明に、暗い話が苦手な私は躊躇したのだけど、いつまで経っても平積みされているので、読んでみたくなり図書館で予約しました。
(これぞ怖いもの見たさですね(笑))
予約したのが12月の初めだったので、5ヶ月待ったことになります。
でも、店頭ではいまだに平積みされているし、最寄りの図書館の予約数はいまだに200件近い。。。
まだまだ話題の本のようです。
そして、この本、2009年の本屋大賞の大賞だとか。
「売り場からベストセラーをつくる!」というコンセプトの本屋大賞なのに、もともとベストセラーな本を大賞にしちゃっていいんですかね。。。
「本屋さんが売りたい!と思ったからベストセラーになっているんだ。」と言われてしまえばそれまでですけど。
そんな余談はさておき、この作品、読み出したら止まりません。いや、止まれません。
とは言え、設定にはちょっと無理がある。
また、ほとんどが誰かへの語り口調であったり、日記に書き綴った文章で、
語り口調にしては一方的だったり、日記にしては妙に語り口調だったりと、違和感を覚える部分もある。
でも、すべてが題名の通り「告白」であり、複数の人が1つのことにいろんな角度から、
更に情報を加えながら語り、物語に深みが増していく。
物語への引き込み方が上手く、読み出したら止まれないのです。
人と言うのは、守りたいもののためにはここまでしてしまうのだろうか。
自分の思いをきちんと人に伝えるのはこんなにも難しいものなのか。
人の思い込みとはこうも激しいのか。
…いろんなことを思いました。
そんな一方。
「あーこういう空回りする先生いるよなぁ。」とか、
「親ってこういう勝手な思い違いするよなぁ。」なんて、
自分の学生時代を思い返したりもしましたよ(笑)
大絶賛して人に勧められる本ではないけれど、私は嫌いではないです。
人間の脳は何でもがんばって覚えておこうと努力するようにできているけれど、何かに書き残せば、もう覚える必要はないのだ、と安心して忘れることができるから。楽しいことは頭に残して、つらいことは書いて忘れなさい。
うちの人に「都合の悪いことはすぐに忘れる。」と言われた。
何かに書き残した覚えは無いんだけどなぁ(笑)