廃墟建築士(三崎亜記・2009年)
修子
普段は質素に、たまには豪華に。
職場の人から結構面白かったよ。と言われ借りた本。
乃南アサの本を読むのは初めて。
題名の「涙」とは誰が流す「涙」なのか、誰のために流す「涙」なのか。
なぜに題名が「涙」なのか?
私の最大の謎はそこかも。。。
プロローグからおおよそのラストはわかってしまうので、それぞれの感情が丁寧に描写されているのだけど、はやくラストにたどり着きたい!とじれったく思ってしまう場面も。
内容は・・・
東京オリンピック開会式の前日に、「ごめん。もう、会えない」と婚約者であり刑事の奥田勝から、電話でそう告げられた主人公の萄子は愕然とする。
まもなく、奥田の先輩である刑事の娘が惨殺され、奥田が失踪していると。。。
真実を知るため、萄子はひとりで彼の行方を追って行く。
東京オリンピックの年にそこそこの年の女性が川崎、熱海、焼津、田川、宮古島と旅しまくることができるのが信憑性が無いと言えば無いのだけど、合間合間に当時の時代背景が出てきて、その時代を楽しめる一面も。
人の人生ってちょっとしたことで狂ってしまう。
これはいつの時代も一緒だなぁ。。。そんなことを思うラストでした。