涙(乃南アサ・2000年)
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昭和39年東京オリンピック前夜。
一方的な別離の電話を最後に、挙式を翌月に控えた萄子の前から、婚約者・勝が姿を消した。
刑事である勝には、ある凄惨な殺人事件の嫌疑がかけられていた。
潔白を信じる萄子は、勝を探し出す決心をするが、同じ頃、勝への復讐を誓った男も行動を起こしていた―。
川崎、熱海、焼津、筑豊、飛田、そして沖縄・宮古島へ―。
すれ違い、裏切られ、絶望と希望の間で激しく揺れながら続けた孤独な旅の終わりに、萄子が見たものは―。
(「BOOK」データベースより)
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職場の人から結構面白かったよ。と言われ借りた本。
乃南アサの本を読むのは初めて。
題名の「涙」とは誰が流す「涙」なのか、誰のために流す「涙」なのか。
なぜに題名が「涙」なのか?
私の最大の謎はそこかも。。。
プロローグからおおよそのラストはわかってしまうので、それぞれの感情が丁寧に描写されているのだけど、はやくラストにたどり着きたい!とじれったく思ってしまう場面も。
内容は・・・
東京オリンピック開会式の前日に、「ごめん。もう、会えない」と婚約者であり刑事の奥田勝から、電話でそう告げられた主人公の萄子は愕然とする。
まもなく、奥田の先輩である刑事の娘が惨殺され、奥田が失踪していると。。。
真実を知るため、萄子はひとりで彼の行方を追って行く。
東京オリンピックの年にそこそこの年の女性が川崎、熱海、焼津、田川、宮古島と旅しまくることができるのが信憑性が無いと言えば無いのだけど、合間合間に当時の時代背景が出てきて、その時代を楽しめる一面も。
人の人生ってちょっとしたことで狂ってしまう。
これはいつの時代も一緒だなぁ。。。そんなことを思うラストでした。