ブルーもしくはブルー(山本文緒・1992年)
修子
普段は質素に、たまには豪華に。
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「…最初がメールだったから仕方ないのかもしれないけど、なんかずっと、お互い相手を探ってるっていうか…。信じようとは思うのに、それがなかなかできないっていうか…」亮介の声を聞きながら、美緒は窓辺に近寄った。
「ほんと、なんでだろうね?」東京湾岸を舞台にきらめく、寄せては返す強く儚い想い。
芥川賞、山本賞受賞作家が紡ぐ、胸に迫るラブストーリー。
(「BOOK」データベースより)
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パッケージの夕暮れの写真がなんだか切なく思わず買ってしまった本。
この作家さんは初見なので他と比べられないけれど読みやすい文体。
「お台場」と「品川埠頭」は海を挟んで距離的には遠くない、けれど、行くには遠回りをしないと行けない。
そんな近くて遠い距離を男と女の関係に組み込んだお話。
大人になると、いろんなことにあらかじめ言い訳を準備してしまう、そんな二人のお話でした。
関係ないけれど、ネット上の私と普段の私は相当ギャップがあるらしい。
ネットで知り合った人には大体「もっとお嬢かと思った。」とか、
「イメージと違う。」とか言われる(笑)
実際、ネットは人の顔が見えないから普段以上に気をつけているからかもしれないけど。。。
だから、この本の主人公のように出会い系サイトで出会った二人と言うのは
やっぱり駆け引きがつき物なのかな。
最後に
「どうしたら、違いの分かる男になれんのかな?」
「ひとつじゃなくて、ふたつ知ってればいいのよ」
なんだか妙に納得した。